築年数150年の古民家を、塗装の力を利用して、気品ある空間を再生させることができた家屋です。
内部外部の塗替えで、古材の強さと風合いを活かすため、自然塗料とチークオイルで仕上げ、素材の良さを引き出しています。
今回ご依頼いただいたのは、キッチンテーブルの天板の塗装です。
正直、傷や汚れが深くまで行ってしまっていると難しいのですが、サンダーをかけた感じでは重症ではないようです。
汚れた所をきれいに削り取り、塗っていきます。用途がキッチンテーブルという家具の中でも比較的日常頻繁に使われるものなので、汚れても簡単に掃除できることが求められます。
ラックニスで下塗りをし、そのあとペーパー掛けをしてちょっといい感じに木目も出ました。
そのあと、ウレテイトという塗料を使い、今度は耐水ペーパーで研磨を3回しました。
・ラックニスは、下塗りとして使い。本塗装の塗料がしみこまないようにします。
・ウレテイトは、密着性・耐摩耗性・環境対応・シックハウス対応の塗料なので、こういった日常使用の家具には適しています。
いい感じに艶も出て、木目もはっきりと出せました。
お客様は大変ご満足いただいたので良かったです。
なんでも、亡くなられたお母さまと一緒に家具店で購入し、またなくなったペットの噛み跡も足に残っており、思い出がいっぱいのキッチンテーブルなのだそうです。
喜んで頂いてこちらもうれしくなりました。
今までの玄関の趣きを損なわないようにして、引き戸と欄間を新しく作り替えた。
杉材で作られた引き戸と欄間が、残した柱や梁(はり)との違和感がおきないよう、耐久性も考え、自然塗料とチークオイルで仕上げました。
20年ほど経ちますが、気品ただよう雰囲気は失われていません。
梁(はり)や柱は、洗って汚れを取り除き、自然塗料のリボスを塗っては拭き取る作業をくり返し、ムラが残らないよう仕上げました。
壁は漆喰(しっくい)で、室内の雰囲気にも気品がただよう。
自然塗料は、今風の部屋づくりにも多用されています。化学塗料と違い、なにせシックハウス障害の心配がないのですから。
そして、自然塗料は工夫と選び方で、アンティーク調やヴィンテージ感を作り出してくれます。
家具、調度品をアンティーク調の塗装技術で再生して楽しむ趣向が高まっています。
ベタつくような油性塗料ではなく、チークオイルやプリマ油を使い、顔料で色合いを整え、素材の持つ、木目や肌ざわりなどを生かして、再生させる。
普段から使い古した家具や調度品が、この塗装技術でよみがえった時の歓びは、格別なものがあるといってよいでしょう。